“密本(ミルボン)”は、王権を牽制する秘密組織ということで、
その実体は謎に包まれています。
謎解きはぜひドラマを見ながらして頂きたいと思いますが、
密本を考える上でご紹介しておきたい人物がいます。
朝鮮建国の功臣と言われる、チョン・ドジョン。号は三峰(サンボン)と言います。
彼は高麗末期から朝鮮王朝初期の政治家で、幾度の流刑を経験しながらも
朝鮮王朝初代国王となるイ・ソンゲの幕僚として、建国に大きく貢献しました。
朝鮮王朝が建国されると権限はチョン・ドジョンに集中していきます。
その権力は国王である太祖(=イ・ソンゲ)を凌ぐとさえ言われるほどでした。
頂点に立ったチョン・ドジョンは、こんな主張をするようになります。
「政治的には個人である国王が全ての実権を握るよりも、
宰相を中心とした官僚が軍事、財政、人事などを掌握し政治をリードすべきだ」と。
そのためチョン・ドジョンは、強力な王権こそ社会の安定をもたらすと考える、
太祖の五男イ・バンウォンと対立するようになります。
そして、1398年に起きた政争事件、第一次王子の乱でチョン・ドジョンは
イ・バンウォンに殺害されます。
なお、このイ・バンウォンが後の3代国王・太宗(テジョン)であり、
世宗大王の父となります。
韓国では今年1月からチョ・ジェヒョンさん主演でこのチョン・ドジョンを
描いたドラマが放送されましたが、韓国の歴史ドラマを見る上では
ぜひ押さえておきたい人物のひとりだと思います。
それでは、この人物を頭の片隅に置いて、
明日からの「根の深い木」をお楽しみください!
【ご注意】
本作品には史実とフィクションが混在しています。
歴史上の人物についての解説は本作品における描写に基づいています。